皆さんこんにちは1995年にデビューした漫画家みなと鈴です😃
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さて。ネットが普及した現在では漫画家になる方法や描き方は検索すればたくさん出てきますよね。
でも現役のプロによる漫画の描き方を発信しているサイトは少ないんじゃないでしょうか?
ならばということで、ここでは漫画家ではない方が書いた「漫画の描き方」や「漫画家になる方法」などを読んでも、どうしたらレベルアップ出来るのか、どうしたら夢の漫画家デビューに近づけるのか分からない…という方のために、プロの視点と経験から、今までアシスタントさんにしか教えられなかったコツなどを丁寧にお伝えしていきたいと思います! また、このブログには「まずぺんをとれ!」という私が昔、講談社の別冊フレンドで連載していた漫画の描き方レクチャー漫画も公開していますので是非そちらもご覧くださいね。
まずペン!は編集者と毎回打ち合わせして描いており、最終回後は小冊子にまとめられ当時の投稿者に投稿特典としてプレゼントされていたものなので内容は確かなものです。
第1回 漫画家デビューへの近道はまずこれをやれ!!
…ということで、闇雲に漫画を描くよりも早く確実にプロの思考に近づける、
私が投稿時代に実際にやっていた方法をご紹介します。
ちなみにですが、私の初投稿はたしか16才くらいで、新書館「ウイングス」で期待賞を受賞。
その後は勉強優先で漫画から離れ、大学入試から解放されたところで、
18才から同人誌を3年間やり(ジャンルは芸能)、
就活したくないなあ~そろそろプロになろう~と、
確か20才の終わり頃に「きみとぼく」に2回目の投稿、
画像にある佳作を頂き、その約半年後3回目の投稿でデビューしました。
そんな投稿3回でデビューした私の秘策、ぜひ最後まで読んで行ってくださいね。
急がば回れ。デビューを目指す殆どの人がやっていないこと。
はじめに、ここへたどり着いたあなたは私のファンの方か(笑)漫画家になりたい人だと思います。
では、漫画家とはどういう人かを私の独断と偏見で定義してみると、漫画を描いてお金をもらっている人だと思います。漫画家と一口に言っても、広告漫画家、教育漫画家、同人作家、など何種類かに分けられますが、既存の人気漫画などのキャラクターを使って漫画を描いている2次創作の同人作家さんは著作権の観点からはオリジナルと言いきれないのでプロとは言えないかな~というのが私の見解です。
同人作家さんでも創作というジャンルでオリジナル作品を販売していらっしゃる方はそれで生計を立てていなくとも漫画家じゃないかなと思っていますが、ここでは一般的に「漫画家になりたい」と言った場合、商業漫画雑誌や電子書店などで作品を発表する人になりたい、と解釈し、そういった方へ向けた内容となりますので当てはまる方は読み進めていただければと思います。
と、いうことで。
見出しにもあるように漫画家を目指す殆どの人がやっていないことは何なのか?
それは…
「自分以外の投稿者の批評を真剣に読み取っていない」
ということです。
漫画家を目指す方の多くが雑誌の投稿ページや漫画賞などに作品を投稿すると思うのですが、
そこには通常、結果発表とともに受賞作を含め何本かの作品の批評が載っていると思います。
そして、その他人の作品に付けられた批評を真剣に読む事こそがデビューへの近道なのです。
他人の作品の批評を読むことがなぜ近道なのかというと、まず第一に、自分の漫画を毎月投稿することって殆どの人はまず無理ですよね?
かなり頑張って投稿している人でもせいぜい年間4~5回じゃないかと思います。
自分の作品への批評にしか興味がない人は年に多くても4~5回の、しかも自分の作品に付けられた批評しか読んでいないんじゃないでしょうか。
そして殆どの人は自分の批評は次回作に生かそうと思うので頭に残ると思いますが、
他人の作品について描かれた批評まで覚えていないと思います。
仮に、いやいや私は全ての批評に目を通すよ?っていう人がいたとしても、
それを継続的にファイリングして重要箇所にラインを引き、自分だけの参考書に仕上げ、何度も何度も書かれていることを覚えるくらい読んでいる人など恐らく殆どいないはずです。
でも、それじゃ頭の中はいつまでも素人のままです。
一部の天才を除き、年間たった数回の批評を読むだけじゃ頭の中をプロと同じ思考に近づけることなんか出来ません。
いいですか?
批評には編集者がデビュー作に求める数々の要素が書かれています。
雑誌によって多少の違いや、求めるものの違いはありますが、殆どの雑誌は投稿作にヒット作になるようなハイレベルなことは求めていません。
編集部が見ているのは
①プロとして最低限備えていなければならない基礎的な力があるか?
②伸びしろがあるか?
③光るものがあるか?
大体この3つです。
言い換えると厳しめな言葉になってしまいますが、どこの雑誌に投稿したり持ち込んだりしてもデビューできないということは、漫画家としての最低限の基礎力がない、ということなります。
まれに、基礎力はあるけれどもデビューに至らないという方もいますが、そういった場合は雑誌のカラーと作風が合わないとか、投稿年齢が雑誌の読者層と合わないとか、漫画賞というのは試験というよりもオーディションに近いので、作品のクオリティーとは別の所にある原因によって道が開かないこともあるので、もしかしたらそうかも?と思った場合はたとえ担当編集者が付いていたとしても他誌へ投稿した方が良いでしょう。
といってもこれがなかなか、憧れの雑誌で担当編集者がついていたりすると、いつまでも踏ん切りがつかず他誌へ方向転換できない、という人が多いように見受けられます。
ですが良く考えてください。
漫画家を目指すということは、プロとしてお金を稼ぐことを目指す訳で、
プロになりたいなら考えなければいけないのは
「どこが自分を一番高く買ってくれるか?」なんですよ。
勿論、描きたい雑誌で描けたらそれが一番です。が、描きたい雑誌でデビュー出来たとしても、
自分の漫画がデビュー後も継続的に掲載して貰えるかどうかは分かりません。
デビューは出来たけれど、デビュー後全く掲載されず投稿時代と同じ…なんてことはザラです。
たとえ子どもの頃から憧れていた雑誌で担当編集者が付いたとしても、担当というのは良い方に当たれば良い相談役やコーチ、指導者にもなりますが、基本的には言い方は悪いですが窓口でしかありません。特に投稿時代は窓口要素が強いです。
私も投稿時代、担当さんにネームを送っても1週間ほど返事がないことが普通でしたが「君より連載作家さん優先なのは当然でしょ」と言われたことがあり、そりゃそうだよねと納得した思い出があります。掲載が決まっている作家とは違ってそこまで真剣に取り合って貰えないことは普通なので、ネームを送って返事がなかなか来なくても落ち込む必要はありません。
ただ、ネームを送ってもこちらから連絡するまで2週間でも3週間でも放置される場合は残念ですがそこでデビュー出来る可能性は低いと言えます。つまり、期待されていないと言うことだからです。
他サイトなどで担当編集者が付くことを凄い事のように書いている記事も見かけますが、担当編集者がついてもデビュー出来ない人は山ほどいます。担当が付いていてもデビューできる見込みがなさそう、期待されてなさそうと感じる場合は勇気を出して他誌を検討しましょう。
一つの雑誌で担当編集者が着く程度の力がある人は他誌でも担当が付く可能性が高いのでトライしない手はありません。
担当者がついていても他誌へ投稿していいの?
よく、担当者が付いているのに他誌へ持ち込んだり投稿しても良いのかな…と悩む方がいますが全く問題ありません。私がソニーマガジンズでデビューした時は、デビュー前に「他誌へは投稿しません」「この雑誌でのデビューを目指します」といった内容の誓約書のようなものにサインを求められたのですが、こういったシステムがある出版社は当時でもまれでした。ですので、そういった誓約書や契約書の類いを交わしていない限り、自分の原稿をどこに提供しようがそれは作者の自由です。
ウチのアシスタントさんもH社で伸び悩み、年齢的にも少女誌ではデビューできる可能性が低くなってきたことから勇気を出してS社の大手雑誌に持ち込みに行き、元の投稿していた少女誌とはジャンルが違いましたがちゃんとそこでも担当者が付きました。
A誌では門前払いだったけどB誌では歓迎された、なんてこともまたザラにあるのがこの業界の面白いところです😃
ネームを送っても放置され待っている時間が長ければ貴重な時間を無駄にしてしまいます。
きちんとレスポンスをくれる編集者にネームを出して厳しい意見をもらって、リテイクにめげずに何回も何回もネームを直しましょう。そうやってネーム力というのは磨かれていくものです。
まずは1年間、他人の批評をスクラップしよう。
これは私がデビュー前に実際にやっていたスクラップです。
全ての批評に目を通し、大事なことだと思われる部分にラインを引いていました。
これを1年間やると、そこの雑誌でデビュー作に求められていることが分かってきます。
①キャラクターのかき分けは出来ているか?
②そのお話に必要なエピソードが描かれているか?
③話はまとまっているか?
④テンポ良く描かれているか?
⑤読みやすいか?
などなど色々なことが批評では良く書かれていると思います。
上の項目は特に重要な順番で上げている訳ではなく沢山のチェック項目を順不同に上げているだけですが、こういったチェック項目が頭の中に5個しかない人と、20個ある人では当然、出来上がってくる作品のクオリティーが違って来ます。
プロと素人の違いはこのチェック項目が頭に何個入っているか、それをどの程度クリアできているかの違いと言っても良いでしょう。
しかしこの方法を今、これを読んで知っても実際にやり始め、さらに1年間継続できる人は殆ど居ないと思います。
何故かというと他人の批評を真剣に読んで勉強するなんて面倒くさいし、遠回りに思えるからです。
また、キャラのかき分け?読みやすいか?そんなことは自分はもう出来ていると感じてやらないか。
とにかく何か理由を付けてやらない人が圧倒的多数でしょう。
でも、良いですか?
デビュー出来ていない時点であなたの作品はデビューに必要な要素を満たしていないのです。
何が足りないのか、出来ていないのかを自分で把握し、編集者の指摘を正しく理解できて、
なおかつ、それを自力で克服するというのはかなり難易度が高いんことなんですよ。
しかし、他人の批評を読むことでデビュー作に必要な要素、つまりチェック項目を増やしていくと、
自分の作品を少しは客観的にチェック出来るようになり、
作品のクオリティーは自然に上がっていくのです。
担当編集者はあなたの人生になんの責任も取ってくれません。
伸びそうかな?と思った投稿者の担当に付くということは、Twitterでいえばとりあえず「いいね」して目印をつけておく程度のことなのです。
自分の人生です。
担当編集者に育ててもらえるだろうとアテにしていてはいけません。
本気で漫画家になりたいと思っている人は是非、やってみてください。
必ず学びがあります。
頭の中が少しずつプロに近づきます。
そうやって他の人に差をつけ、頭一つ抜け出てください。
投稿者はどんぐりの背比べ状態です。ほんのちょっとの差が、道を開きます。
まとめ
ということでやることは単純ですね。
他の人の批評を読んで研究し、それを自分の作品で生かす。
これだけです。
担当付きになってもアテにしないこと。
低年齢層がターゲットの雑誌だと投稿者の年齢も10代であることが多く、編集者も育てようとしてくれることが多いですが、雑誌が大人向けになってくるともう編集者は新人を育てません。即戦力が求められるジャンルです。
私が現在連載しているエレガンスイブも募集しているのはプロ作家だけなので、そういった雑誌ではもはや賞を取ってのデビューは出来ません。
雑誌での受賞だけがプロデビューする方法ではありませんが、そこを目指している方はどうぞ若いうちに、自分で自分を鍛え、力を伸ばす、ということをやってみてください。
では、これから少しづつ具体的なネームの描き方、テクニックやコツ、などを解説していこうと思いますので良かったらまたお越しくださいね😊
次回は「プロットが通らない!なんで!?」や、「ネームが通らない!なぜ!?」という漫画家を目指す人なら大抵ぶつかるであろうこの2大超難問はどうしたら解決するのか、にお応えしてみたいと思います。
では皆さんのご健闘を祈っております!See you!
コメント
もし、自分の子供が生まれて、もし漫画家になりたいという時にはこの記事を読ませたいと思った。(子供どころか恋人いないけども、、)この記事は漫画家以外、何かを達成したい、目指したい人にもとても勉強になる内容だった。ありがとうございます。
みーちゃんさんはじめまして😀大変嬉しいお言葉、感謝致します。
微力ではありますが私が学んできたことは全てブログに残していこうと思いますので
良かったらまたお越し下さいね。
コメントありがとうございました😊